読書

考える力をつけたいなら「問い」の力をつけなければいけない。

こんにちは、りょういちです。

ブログの更新がなかなかできず気づけば4ヶ月...いい加減続けるか辞めるか決めないとズルズルいきそうなので、3月中にどうするか決めます。

さて、今回は『問うとはどういうことか 人間的に生きるための思考のレッスン』梶谷真司・著 大和書房をご紹介。

著者は東京大学の教授で哲学、医療史、比較文化を専門としているとのこと。近年は学校や地域などのコミュニティで「共に考える場」を作る活動を行い、さまざまな人が共同で思考を作り上げていく「共創哲学」という新しいジャンルを追求している方です。

私生活でもビジネスでも考える力は必要です。考えるためには「問う力」が基になります。
・問うといっても何を問えばいいのか分からない
・問いが大事なことは分かるがうまく問うことができない
・どうやったらうまく問いがつくれるのか

こんな風にずーっと悩んでてがどうしたら良いのか分かりませんでしたが、本書のおかげで悩みがかなりクリアになりました。思考法ばかりに目がいって大事な大事な基礎をおろそかにしていたからいつまでも考える力がつかなかったのだと。目からウロコが落ちまくりました。

注意点としては、この本はビジネス本ではなく著者が「問うとはどういうことか」を哲学した内容なので、勉強や仕事で成果をあげることが目的の本ではありません。すぐ効果がでるようなノウハウは書いていません。「問う」ことが人生においてどのような意味をもつのかを述べています。

「問いってそもそもどういうことだろう?」と少しでも疑問に思ったなら一読の価値があります。

学びになったところ

問いの質と量が思考の質と量を決める。要するに、考える力をつけるために重要なのは「問う力」である。

だから物事に疑問をもつのは、自分が生きるそのままの源氏二つに出会うことであり、言わば、自分の”存在証明”である。私たちは問うことではじめて、自分の人生を生きることができるのだ。

問うことは目的と結びついている時、より意義あるものとなり、その力を発揮する。

つらくても新しいことを知るのは、現実とより深く複雑な関わりをもつことであり、それは平面的で単純な関わりよりも、絶対的に豊かである。

他者のことは、勝手に想像して決めつけるのではなく、まずは関心をもって知ろうとすることが重要である。

マジョリティであることは、正しいことを意味しない。たんに「みんなそう思っている」だけで、みんな間違っているかもしれない。

偏見は無知と表裏一体である。無知から解放されることは、偏見から解放されることである。

思考を深めるとか、物事を深堀りするというのは、たいていの場合、理由をとうことでできるようになる。

大きな問いではなく、小さな問いを積み重ねて、答えの出せる個別具体的な問題に転換し、そこから考えていかなければならない。

何がよい問いで何が悪い問いかということは、はじめから考えないほうがいい。まずは問うことじたいに慣れなければならない。

私たちは問うことで、物事をより深く考え、理解するようになる。世の中の偏見や常識、自分の思い込みから自由になることができる。

最後に

問いが抽象的すぎたり漠然としたものだと、答えもそうなってしまうという指摘があるのですが、本当にそのとおりだと思いました。人生とはなにか、幸せとはなにか、死とはなにかといった問いはあまりにも抽象的過ぎてまったく納得いく答えがだせないなと。

問いが大きすぎることに気づき、答えが出せる小さい問いを何個もつくってそれに答えを出していくことから考えなければいけない。これはとても良い学びになりましたね。

思考に行き詰まったとき、悩んでいることにうまく答えを出せないときに立ち止まって読み返したくなる一冊です。


<目次>
第1章 問うことは、なぜ重要なのか?
第2章 そもそも、何のために問うのか?
第3章 具体的に、何を問うのか?
第4章 実際に、どのように問うのか?
第5章 どうすれば問う力がつくのか?
第6章 現実の問題にどう対処するのか?
第7章 いつ問うのをやめるべきか?


■編集後記
4年ぶりに歯医者へ行ったら虫歯が2本もありました。比較的軽い虫歯だったのですぐ治療は終わりましたが、ちょっとショックでしたね。歯の調子が良くても1年に1回は歯医者さんに行って診てもらわないいけないなと痛感しました。