読書

自分のアタマで考えられるようになる方法

「自分のアタマで考えろ」「もっと自分で考えてみようか」「まだまだ考えが浅い」

学校の先生や両親、会社の上司などから言われたことはないでしょうか。自分のアタマで考えたつもりでも、だれかの考えた答えだったりする。これ以上なにを考えればいいのかわからない。自分自身で自信を持って「こう思う」と発言できたことは記憶にあまりない。

自分のアタマで考えることが大切なのはとてもよく分かるけど、じゃあどうしたらいいの?と思っている人におすすめの本が、社会派ブロガー・紀行文筆家であるちきりんさんの『自分のアタマで考えよう 知識にだまされない思考の技術』です。

なにを考えればいいのか、どう考えるのがいいのか分からない人のために「考えるための方法論をまとめた本」です。

気になったところ

世の中の現象には良い面と悪い面の両方があり、どちらかだけということはまずない。知識に騙されている人はそのどちらかの意見しかでない。「知識にだまされていない思考」とは、良いところと悪いところ両方出てくる。知識に頼ると正しい思考ができない。固定観念、規制観念、もともと知ってることでバイアスがかかってしまうと思考が偏る。

目の前に新しい情報がでてきたら、その情報だけで考えることができるかどうかが思考できる人とできない人の分岐点になる。知識にだまされるな。成功体験と結びついた知識は特に厄介。新しい情報に触れているのに過去の知識に囚われてしまう。

知識とは「過去の事実の積み重ね」、思考とは「未来に通用する論理の到達点」である。本やセミナーなどは他の誰かがアタマで考えた知識であり、あくまで他人の思考であることを忘れてはいけない。知識と思考をしっかり区別すること。

自分のアタマで考えたいならまずは知識をアタマの中から外すことからスタートしないといけない。考えるためにまずは知識を蓄えないといけないと思っていたが、逆のアプローチをしないとできない。

情報収集を始める前に決めないといけないこと。それは「意思決定のプロセス」だ。なぜなら意思決定のプロセスが明確なら、それに合わせて必要な情報を集めればいいから。情報収集の大幅な時間短縮が可能になる。情報収集は終わりがないし楽しかったりするので延々とやってしまいがち。

作業を思考と思わないように。なぜその作業をしているのか意義を考えるのは思考。データの打ち込み、グラフの体裁を整えるなどの作業は疲れててもできる。自分は一日どれくらい考えてる?日々これを意識すれば考える力は大幅に伸ばせる。まずは一日一時間は考える時間をとりたい。

ひとつの情報に対して十分な時間をかけてとことん考えることが大事だと思っています。

「なぜ?」「だからなんなの?」は秀逸な「思考のガイド」として使える質問なのです。

考えるためにもっとも役立つ分析手法はなにか?それは「比較」だ。比較はすべての分析のはじまり。比較の基本は縦と横。縦は時系列比較=歴史的な観点でものごとを見ることで、横は他社比較=国際的な視点でものごとをみることだ。

判断基準はシンプルが一番。大事なことがたくさんあるときは「その中でもっとも大事なことはなんなのか?」という点を見極める必要がある。優先度の高い基準を選び、その視点だけから選択肢や事象をみると細部が省略され、本質的なポイントが浮かび上がってくる。

最後に

序章の「知っている」と「考える」はまったく別モノ、というところからすでに目からウロコでした。知識がなければ思考もできないと思い込んでいました。もちろん最低限の知識は必要なのでしょうが、知識を得ることばかり(情報収集してばかり)ではまったく考えていないわけで。ふだんから目の前にある情報から考えるようにして思考力をつけたいですね。

自分のアタマで考えるってどういうことなのかがこの本を読めばわかります。仕事でもプライベートでもなにか考える問題が出てきたとき、本書のなかで紹介されている考えるためのポイントを押さえれば自分なりの答えがでるはずです。

ちきりんさんのブログ「Chikirinの日記」→https://chikirin.hatenablog.com/

Twitter→https://twitter.com/InsideCHIKIRIN?s=20

音声ブログ(Voicy of ちきりん)→https://voicy.jp/channel/1295/all


■編集後記

連休中の掃除で出たダンボールをやっと捨てられました。部屋の片隅で山のようになっていたので...。部屋も広くなり思った以上に気分爽快です。ストレスでもなんでもためこみすぎは良くないですね。